『麗ビューティー皮フ科クリニック』の院長で、ブロガーとしても活動し、4人の子供を育てていた居原田麗先生が1月10日に亡くなられた。42歳という年齢は若く、大変残念である。


 居原田先生は、2020年に子宮頸がん(小細胞がん+リンパ節転移)が見つかり、広汎子宮全摘出術を受けていた。2021年には肝臓やリンパ節への、2023年には骨3カ所への転移が発見された。

しかし、ブログはいつも明るく前向きで、メイクも完璧だった。(主治医も本当の顔色が分からず、対応が遅れたかもしれない。)いずれ完治するのではないかとまで期待させた。


化学療法による脱毛や、手術の後遺症としての排尿障害についても赤裸々に記載し、フォロワーは多かった。私は1年くらい前から読者になった。


2023年12月16日のブログは5歳の長女のお遊戯会に行けて良かったという内容だった。

しかし、12月19日に母校である滋賀医大に転院することをブログに投稿し、更新が止まっていた。


この状況で大学病院に転院するのは状況がかなり厳しいのではないかと心配された。


1月11日の投稿で、

「はじめまして、居原田麗の夫、河原と申します。きのう、1月10日14時31分 母校である滋賀医科大学で妻 居原田麗こと河原麗が永眠いたしました。」と報告された。


転院の前に自宅に一泊したのは、もう帰れないという予感があったのだろうか。




がんというやつは最初は1匹で、何気ない症状でやって来る。それが2匹になり3匹になり、少しずつ体力を奪って行く。最後は体力が落ちたところで、何千匹という集団になって一気に攻めてくる。

居原田先生も年末から敗血症、DIC、肺水腫を立て続けに起こされたが、ブログはいつも明るく、戦闘態勢を崩さず、「ファイティン❤️❤️❤️」で締めくくっていた。


小細胞がんは子宮頸がんの中では珍しく、特に悪性度が高い。抗がん剤も放射線も免疫療法も効果がなかったようだ。いや、最初は余命1年と告げられたので、4年闘病されたのは延命効果があったと見るべきだろう。


居原田先生のご冥福と、お子様方の健やかなご成長を心からお祈りする。



小学校6年生から高校1年生の女性は子宮頸がん予防ワクチンが無料で受けられる(本来は男性も受けるべきだが、日本はそこまで行ってない)。最新型のシルガード9という9価のワクチンを用いて14歳以下で始めれば2回接種で済む。シルガード9以外のワクチン(サーバリックス2価、ガーダシル4価)を使ったり、15歳以上で始めた場合は3回接種が必要になる。25歳までの女性も令和7年3月までは無料で受けられる。それを過ぎると助成はなくなり、シルガードの場合1回につき27,880円かかるようになる。(仙台市の場合)


無責任な報道番組が副作用を騒ぎ立てたため、9年間も接種が中止になっていた。ワクチンをしなければ、日本では1年に約1万人が子宮頸がんを発症し、3,000人が亡くなる。9年間接種中止している間に27,000人が亡くなった計算になる。


海外では男性もこのワクチンを受けるのが普通になっている。

韓国ドラマを見ていたら、その辺のお兄さんが、「今日HPVワクチンを受けて来た」と喋っているシーンがあった。日本だけが遅れている。